隠れた歴史が多い東京という街の魅力

東京は江戸時代から地続きの約400年という歴史がある大都市で、世界的に見ても古い街です。水資源に恵まれ居住可能地域が多い日本という国の中で、東京はいくつもの時代にわたって政治、経済、文化の中心地として発展をし続けている魅力的な街です。その一方で東京には奈良や京都と比べて歴史が見えにくいという側面があります。関東大震災や東京大空襲で街の大部分が破壊されたり、1970年代の高度経済成長のさなかには歴史を顧みずに近代化を促進する風潮があったからです。

確かに東京は歴史が見えにくいですが、実は覆い隠されている部分もたくさんあるのです。そんな覆い隠されている歴史を街歩きで発見できるのも東京の魅力。例えば都心では、発祥の地という文字が刻まれた記念碑を目にする機会が多くあります。23区内だけでも発祥の地を記した記念碑は300基以上もあるそうです。街並みは変わってしまっても縁のある人が記録を残したいと思い、記念碑を建てているのでしょう。記念碑めぐりをしていると教科書には載っていない歴史を学ぶことができます。また、銀座には多くの店舗がひしめき合っていますが、商人が多く居住していた銀座は江戸時代に店の間口の大きさによって課税額が決められるという制度がありました。路地裏に入ると、入口が狭いのに奥行きは広くなっている構造の店舗が多いのはそのためなのです。繁華街の路地裏に江戸時代から引き継いでいる店舗の特徴が残っているのも東京という街の魅力だといえます。